支部長あいさつ
令和6年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 中村 吉男
(愛知工業大学)
この度、愛知前支部長の後任として支部長に選任されました愛知工業大学の中村吉男です。身に余る光栄と存じ責任の重さを痛感しているところです。
2019年12月に発生し4年余りにわたり、世界中に深刻な事態を引き起こした新型コロナウィルス感染症という厳しい環境の中で、前支部長をはじめ歴代の支部長におかれましては、会員確保と運営の強化にご尽力されましたことに感謝申し上げるとともに深く敬意を表します。
コロナ禍においては、感染拡大防止により様々な社会経済活動が制限され、人流抑制や接触削減の観点から学会の活動の根幹をなす講習会・講演会・現場見学会などの運営は大きな転換を余儀なくされました。2022年にはセミナー部会・シニア部会・若手部会の連携によるオンライン初級講座が開催され、見学部会では2021年と2022年の2か年にわたりリモートによる見学会を試行しその意義を議論した上で、2023年には見学部会と若手部会連携による見学会が開催されました。また、委員会、各部会では、働き方改革を進めながら、地盤工学に関する知見や技術をいかに伝授、伝承していくかという新しい課題にも取り組んでいます。
本年、年始早々能登半島地震が発生しました。我が国は、脆弱な地質・地盤構造を持つ災害列島であり、毎年のように起こる災害の中で、営々と防災対策を積み上げてきました。災害の発生予測と対策、災害で発生する廃棄物を処理し、土木資材としての性能と環境安全性を確保しつつ土木資材として有効利用を進めることは、災害からの復旧・復興における地盤工学の重要な役割です。現在、防災と安全、基盤の再生と革新、環境の再生と創造など、国民の生活と密接に関わる社会技術の重要性が改めて再認識されつつあります。今後、土木技術にも、法制度や社会システムの整備まで包含し、人文 ・社会科学、環境科学、情報科学の各分野と連携・融合した総合科学技術としての展開が、これまで以上に求められることでしょう。この意味において、地盤工学が果たすべき役割は非常に重要です。地域社会への貢献ができるような活動を積極的に展開していくことは、地盤工学会中部支部の使命の一つです。会員皆様のご支援、ご協力を賜りながら、取り組んでいく所存です。1年間どうぞよろしくお願い申し上げます。
令和5年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 愛知
(名古屋市上下水道局)
地盤工学会中部支部の令和5年度支部長を拝命いたしました、名古屋市上下水道局の愛知でございます。
国内初の新型コロナウイルス感染症患者が令和2年1月に確認された後、約3年間にわたって社会全体に大きな影響や様々な変化がありました。とりわけ、多くの会議や学術研究会等が対面での活動に制約を受け、オンライン開催に移行しました。オンライン開催のメリットは多い一方で、リアル(対面式)で語り合うことの重要性を再認識する声も多いと感じてきたところです。
その後、新型コロナウイルスを取り巻く状況については大きな変化が見られ、本年5月には感染法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に変更され、マスクの着用等について個人の判断を基本とする対応がとられています。
このような状況の中、支部の通常総会について、本年度におきましては、改めて以前のような対面方式を指向し、開催できたことに喜びを感じております。
さて、中部支部は愛知・三重・岐阜・静岡・長野の5県で構成されていますが、中でもこの地域の特色として、日本一の工業生産額を持つ工業地域であるとともに、濃尾平野の広大な軟弱地盤を抱えております。近い将来に発生が危惧されている「南海トラフ地震」に対しても、太平洋沿岸部の防災や減災の視点に立った社会インフラの整備が課題となっております。
また、東日本大震災や熊本地震をはじめ、全国各地で大きな揺れを観測する地震が発生しています。また、中部地方においては令和3年7月豪雨による熱海市の土砂災害など、大きな災害が相次いで発生しており、地盤災害・地盤防災の専門家集団として、地盤工学会及び会員の果たすべき役割はこれまで以上に大きなものになっていると感じています。
地盤工学会の目的としましては、「地盤工学の進歩及び地盤工学にかかわる技術者の資質向上を図り、学術・科学技術及び文化の振興と社会の発展に寄与すること」とされております。今一度、この初心に立ち返り、地盤工学会中部支部が中部地域の地盤工学のパイオニアとして社会に貢献していけるよう、会員のみなさまと協力して行動していきたいと考えています。
最後になりますが、支部長として、支部活動の円滑な運営に努めてまいりますので、会員のみなさまのご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
令和4年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 沢田 和秀
(岐阜大学工学部付属インフラマネジメント技術研究センター・教授 )
令和4年度の支部長を務めさせていただきます。岐阜大学工学部の沢田和秀です。よろしくお願いいたします。
新型コロナウイルスは変異を続け、まさに様々な対策が講じられながら3年が経過し、オンラインで対話できる技術の発展とともに、画面越しの対話にも慣れてきました。速く、そして多方面からの情報流通の中で、ウクライナとロシアの関係の衝撃的な動画をニュース等で目にすることが続くのは悲しい限りです。
今年度の中部支部の総会は、対面とオンラインの両面で開催され、徐々に対面を主とした行事が増えてきたと感じています。オンラインで済む行事もあれば、対面が必須のものもあり、多様化した対話形態の選択肢が増えてきました。戦略的な活用が望まれます。大学の学生たちには、多くの説明をせずとも、ICT(情報通信技術)を最大限に活用したレポートの提出等にストレスはなさそうですが、レポートの内容に関しては、どこかのウェブサイトからコピーしたと見られるのものが少なくありません。ICTは、コミュニケーションのための手段ということをよく表していると思います。
これまでの私の中部支部での活動の多くは、災害時の調査に関するもので、会員のみなさまの技術と知識の集約とその発信がいかに重要であるかを勉強する機会を何度もいただきました。ほんとうに感謝しています。
昨年7月には、熱海で起こった災害に衝撃を受けました。谷埋め盛土が崩壊し、大量の土砂が流下し、死者27名、行方不明者1名という甚大な被害となりました。これを受け、同様の不具合を起こすかもしれない盛土の調査が全国で実施されました。また地盤工学会では、「残土」の適切な取扱いに向けた地盤工学上の課題に関する検討委員会が設置され、多面的に対応策が検討されています。物理的なことだけでなく、法的な側面からも、社会が安心できる土の取り扱いに関するあり方が検討されています。委員会では、幅広い意見を集約するために、多様な専門の技術者の意見がだされています。このような研究者や技術者の連携が、学会としての一つの役割と思います。
さて、中部支部では、行政および関連学協会が連携・協力することで災害に対応する協定を締結しています。連携に関していえば、オンラインで情報を共有できるインフラが強固になり、時間と距離の自由度が変化しました。これらを活用することで、災害時だけでなく、また学会員だけでない、連携や交流が可能であるし、これから必要になるしくみと考えます。
不運をきっかけにするのではなく、意思を持って新しい気づきとなる機会をつくりたいと考えています。支部の活動に、ご協力をお願い申しあげます。
令和3年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 前田 健一
(名古屋工業大学・教授 学長特別補佐,高度防災工学センター副センター長)
令和三年度地盤工学会中部支部長を務めさせていただくことになりました,名古屋工業大学の前田健一です。この1年間,地盤工学会中部支部の発展のために尽力して参りたいと思います。 まずは,我々がかつて経験したことがないコロナ禍によって,社会活動のスタイルの大きな変革が求められたとともに対応方法も流動する中においても,丁寧かつ粘り強く支部活動を運営されました小高支部長を始めとする令和2年度事務局および各部会の皆様に改めて敬意を表したいと存じます。 今年は,東日本大震災復興10年,熊本地震本震から5年などの災害対応節目の年です。南海トラフ地震への備えを加速させる必要がありますが,学会の貢献への期待がより一層高まっています。また,集中豪雨等の異常気象のリスクが高まる中,学会本部主導の研究委員会「災害調査データの収集と活用委員会」が設置され,斜面分野に先行して河川堤防分野が活動を開始しました。組織的・体系的に情報を蓄積,活用することに向かい合います。大きな災害への対応だけでなく,普段の気象現象への土構造物の応答も含め,老齢化・人口減少にある我が国の維持管理システム構築への貢献という学会の使命が再認識されています。中部支部が重要な役割を果たすことも期待されます。
学会活動においては,やはり,人が集うことは楽しいし(オンラインも含め),人数も一定数以上参加し,若手が多いとより活力が得られるのは間違いありません。そこで,いままでの活動に加え,以下のような活動の着目点を加えてみてはどうかと考えております。
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- 業界を担う30歳代の退会,学会離れが進んでいます。地盤工学会だけでなく土木学会,他学会も同様です。学会の活力維持のためには,中部支部の規模であれば,入退会を差し引きでプラス数名が毎年の目標値との試算もあります。まずは30代をターゲットにした魅力ある活動をどのようにするか,という課題解決に向けて注力するというものです。
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- コロナ禍がつづき,活動が制限されています。一方でオンライン,オンディマンド行事という挑戦も続いており,対面だと実施できなかったアイディアもオンラインだと可能だと実感した企画も多いことも事実です。過去に企画検討されたものでお蔵入りしたアイディアを掘り起こして,いろいろと新しい形で試してみるのもよいと思います。失敗も許される時期かと思います。
従来とかわらぬ持続的な努力を続けながら,課題解決に向けた新たな試みもしていきたいと思います。今年度も会員の皆様の支部活動へのご支援,ご協力をよろしくお願いいたします。では,1年間よろしくお願いいたします。
令和2年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 小高 猛司
(名城大学理工学部・教授 学術研究支援センター長,自然災害リスク軽減研究センター長)
令和2年度の支部長を拝命いたしました名城大学の小髙です。
新型コロナウィルス感染症の影響を様々な形で受けておられます支部会員の皆様に謹んでお見舞い申し上げますとともに,この感染症の1日も早い終息を心からお祈りいたします。
1年前の今頃は,令和新時代の幕開けを迎え,晴れやかな空気が日本全国に漂っておりました。地盤工学会では,前年に発生した平成30年7月豪雨の統括を行い,豪雨地盤災害に対する新たな提言を発信する準備をしていた頃です。私自身も令和が平和な時代となることを心静かに祈っておりました。しかし,その願いもむなしく,令和元年も自然災害は日本列島を容赦なく襲い,特に10月の台風19号は東日本広域で猛威を振るいました。河川堤防だけでも,中部支部内の千曲川をはじめとして全国で140箇所が決壊するという未曾有の被害をもたらしました。
そして,令和2年の年が明けてからは,新型コロナウィルス感染症が世界中で爆発的に拡大し,今なお人類の生存を脅かし続けています。この原稿を書いている黄金週間の現在,我が国では緊急事態宣言が5月末まで延長されることが決まるなど,今なお,この出口を見通すことができません。1年前には誰もこの状況を想像できませんでした。我々,地盤工学会が常に向き合っている自然災害と同じように,日常を非日常に簡単に変えてしまいました。
この数年,4月の新入生の防災の授業で「南海トラフ地震はいつ起きてもおかしくない」と話してきましたが,今年はその授業をYouTubeで配信しました。未知の感染症の甚大な影響に日本全土が疲弊し,怯えている現在,本当に地震が起きたらどうなるのか?地盤工学者として自分に何ができるのか?地盤工学会は調査活動ができるのだろか?などと多くのことを自問自答しながら,動画を作成しました。動画作成など,もちろん始めての経験であり,ましてやYouTubeにアップするなどとは一ヶ月前まで考えてもいませんでした。
大学での遠隔授業を本気で意識しはじめたのは3月中頃ですが,ちょうどその頃に例年4月に開催するこの中部支部の総会の中止が決定されました。そして,4月には7月の地盤工学研究発表会の中止も発表されました。この社会情勢では当然の判断です。令和2年度の中部支部の活動については,2月の商議員会の段階では例年通りに様々な行事を企画していただきましたが,そのほとんどの見直しを迫られています。人が集まるイベント中止は当然の流れであり,支部長就任前の4月中旬までは,令和2年度の支部行事はほとんど開催できずに,私は支部長としての一年の任期を終えるのではないかと考えていました。
しかし,大学の授業はYouTubeでできてしまう,会議もZoomで支障がない,自宅であっても仕事はできるなど,今までは「そんなことできません」と思っていた多くのことが,実は比較的簡単に,しかも当たり前のようにできてしまうことを,緊急事態宣言が発令されてから黄金週間までの短期間で身をもって経験しました。会員の皆様も,おそらく同様の体験をされているのではないでしょうか。もちろん,そのような体験ができたのは,世界中の英知によって素晴らしいICT基盤がすでに整備されていたからですが,今回のごく短期間の体験により世の中がすでに大きく変わっていることを期せずして思い知ることになりました。
この感染症がいつ,どのような形で終息するのか想像がつきませんが,今私たちがいるのは,今まで非常識だったことが簡単に常識に変わってしまう世の中であることは確かであり,これを機に社会が大きく変わることは想像に難くありません。学会活動のあり方,会員のかかわり方も変わっていくのではないかと思いますが,それが,この令和2年度の学会活動で試されるのではないかと考えております。
大学の実験・実習も遠隔授業でバーチャルに行う世の中になっています。このようにフレキシブルな変革を許容できる社会の中で,未知の感染症に負けることなく会員の皆様にどのようなサービスをお届けできるのか,支部長として,会員の皆様のご意見をいただきながら,ともに一緒に考え,試してまいりたいと思います。
1年間,何卒よろしくお願いいたします。
令和元年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 豊田 正博
平成31年4月19日の中部支部通常総会において、支部長を拝命しました愛知県建設局技監の豊田です。
地盤工学会中部支部は、昭和32年に設立され、長きに渡り地盤工学の技術向上に努められ、その技術を生かし、社会への多大な貢献をされておりますことに、深く敬意を表します。また、今年度は、本工学会が創立70周年を迎える記念すべき年に、支部長を仰せつかり、その責任の重さに身の引き締まる思いです。
地盤工学会中部支部が掲げる「会員相互の交流・連携・協力」「学術・技術の進歩への貢献」「社会に対しうる直接的な貢献」の役割と機能を踏まえ、様々な社会基盤施設を支える土台の技術を扱う地盤工学の進歩に貢献できるよう有意義な活動を進めていきたいと考えています。
さて、近年の気候変動の影響等による気象の急激な変化や自然災害の頻発化・激甚化にわが国はさらされております。さらに中部地域は、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が高まっており、このような自然災害に事前から備えるべく、私ども行政は国土強靱化に向け、防災意識社会への転換を図りつつ、ハード・ソフトを総動員した防災・減災対策を推進しているところです。また、いざ災害が発生した場合には、迅速な復旧復興を行い、被害の最小化を図ることが重要であります。
このような中、昨年3月には、災害発生時に行政と本学会が連携・協力し災害に対応する協定を締結し、地盤工学的技術を踏まえた復旧復興が的確かつ迅速に対応できるとともに、災害を教訓にした今後の防災・減災への取り組みにも繋がることとなり、地盤工学会中部支部への期待はこれまで以上に大きいものとなっております。
今後も、地盤工学会中部支部がその技術力をいかんなく発揮し、この地域の発展に貢献していけますよう、誠心誠意努力してまいる所存でございますので、会員の皆様のご支援並びにご協力を賜りますようお願い申し上げます。
平成30年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 野田 利弘
(名古屋大学減災連携研究センター 副センター長・教授)
平成30年4月20日の中部支部通常総会において、支部長を拝命しました名古屋大学の野田利弘です。大役を仰せつかり、大変身の引き締まる思いです。私は、平成元年の大学院の時に本学会に入会してから30年目になりますので、地盤工学に携わる大学人として、本学会に育てていただいたといっても過言ではありません。この1年間、恩返しができるよう、努めてまいりたいと思います。
はじめに、支部長挨拶として、昨年度、守屋支部長、酒井支部長をはじめとする事務局ならびに、中部支部の活動を前進下さいました関係各位の皆様方に、心より感謝と御礼を申し上げたいと存じます。特に昨年度は例年の支部活動の運営に加え、地盤工学研究講演会(名古屋大会)や設立60周年の周年事業に関する運営も加わり、大変な年だったと想像します。
次に、地盤工学会中部支部で掲げる、3つの学会の役割・機能を振り返っておきたいと思います。
(1)会員相互の交流・連携・協力(Society 機能)、
(2)学術・技術の進歩への貢献(評価機能)、
(3)社会に対する直接的な貢献(社会との双方向意思疎通機能)
いずれも、本部と連携して果たしていく大事な役割・機能だと思われますが、支部独自で行う部分も多くありますので、この3つの学会機能を一層充実させることを念頭に、今年度も支部の9つの基幹の部会活動を中心に据えるとともに、新事務局としてはこれらの活動がよりしやすくなるよう下支えができればと思っています。まさしく学会の「支部の源泉」でありますので、この点は強調しておきたいと思います。
その上で、本年3月26日に締結された「災害時における調査及び技術支援等の相互協力に関する協定」について触れておきたいと思います。この協定は、近年、頻発する地震・豪雨などによる大規模な広域災害に備えるため、中部地方整備局と長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県の中部5県、静岡市、浜松市、名古屋市の3政令市および土木学会中部支部、、砂防学会東海支部・信越支部、日本地すべり学会中部支部、そして、この地盤工学会中部支部4学会で締結したものです。複数の行政機関が連携しつつ、学会と広域的な協定を締結するのは全国でも初めての取り組みとなります。災害時において「行政機関から学会へ」または「学会から行政機関へ」要請を行うことを目的にしたものではありますが、発災した咄嗟の時に確実な連携対応ができるよう、平時から連携を進めてゆく必要があると思います。この協定を生かすべく、これを機に関係機関の連携を深めることを検討いてゆきたいと思います。災害時の「顔が見える関係」は、地道な平時からの協力関係があってこそできるものであり、上記の(3)の学会の役割・機能でありますので、これまでに実績のある土木学会中部支部や日本応用地質学会中部支部との平時の連携を参考に、関係機関の連携を検討していければと思います。
来年度は伊勢湾台風60周年の年に当たり、20世紀に大規模災害を受けた地域です。また近い将来発生する南海トラフ地震に対する被災の中心地となることが予想される地域でもありますので、この協定を実効性のあるものにして、地盤工学の観点からもの間にこの地域が一歩一歩強くなっていくことが必要であると考えています。
このほか、人口減少下での会員増加、特に特別会員の増加など取り組むべき課題は少なからずあります。対応を整理検討し、実行してゆきたいと思います。
いずれにしましても、昨年の地盤工学研究発表会のテーマである「今こそ、地盤工学」と言われるような学会を目指し、会員の皆様が楽しく参加運営できる学会としていきたいと思います。1年間、何卒よろしくお願い致します。
平成29年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 酒井 俊典
(三重大学大学院生物資源学研究科 教授)
この度,評議員会のご承認を受け,守屋前支部長のご退任に伴い支部長を拝命いたしました,三重大学の酒井俊典です。
地盤工学会中部支部は昭和32年に設立され,設立60周年という節目を迎えております。中部支部は日本の産業を担う多くの企業が立地する愛知・静岡・岐阜・長野・三重の5県で構成されており,地盤工学的の面からこれら地域の特 徴を見ると,濃尾平野の軟弱地盤,飛騨・木曽・紀伊半島の急傾斜地,南海トラフ巨大地震の危惧といった幅広い課題が存在しています。
また,中部地域をはじめ我が国では,国民の安心・安全・快適な日常生活および経済活動を維持するため社会インフラの整備が行われ,特に戦後の急速な高度経済成長の中で数多くの施設が建設されてきました。現在人口減少の時代 に入り投資余力が減少する中,これら既存施設を延命化させる長寿命化のための取組が進められるようになってきています。
地盤工学は,従来からの社会インフラの整備に加え長寿命化に向けた取組みに対し,その基礎である地盤を担う分野として果たすべき役割は数多くあると思います。地盤工学会では1.学術技術の進歩への貢献,2.技術者の資質向上 ,3.社会への貢献の3つを目的に掲げ活動しており,中部支部では,現在まで社会との連携を深めながらこれらの目的に向けて活発な活動を続けています。
地盤に対する専門家集団である中部支部の活動は,中部地域の社会経済活動にとって重要なものであるとともに,社会からの期待も大きく,会員の果たすべき役割はますます高まってきていると思います。今後さらに発展できるよう 皆さんと協力して進めていきたいと考えています。
残された短い期間ではありますが,支部長として支部の円滑な支部運営に努めて参りたいと思いますので,会員の皆様のご支援・ご協力を,何卒よろしくお願い申し上げます。
平成29年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 守屋 正平
(中部地方整備局 副局長)
平成29年4月14日の中部支部通常総会において、支部長を拝命しました国土交通省中部地方整備局の守屋です。
地盤工学会中部支部は、昭和32年に設立され、今年で設立60周年という節目の年を迎えます。 また、今年は第52回地盤工学研究発表会が当地名古屋で開催されるという記念すべき年に支部長を仰せつかり、光栄であるとともに、その重責に身の引き締まる思いです。
中部地域は、リニア中央新幹線の全線開業によるスーパー・メガリージョンの形成を見据える中で、4つの国土軸の結節点に位置しているという地理的特性を活かして、首都圏、関西圏、また北陸圏と連携し、我が国の成長エンジンの一翼を担い、アイデンティティともいうべき世界最強・最先端のものづくりを基軸に、環太平洋・環日本海に拓かれた、世界規模でグローバルにヒト、モノ、カネ、情報が対流する拠点となって世界をリードしていくことが期待されています。
一方で、中部地域はあらゆる社会経済活動を脅かす南海トラフ地震などの大規模地震や津波、頻発・激甚化する気象災害などの大規模自然災害への備えに対し、地盤工学的技術が必要とされる地域でもあり、地盤工学会中部支部への期待も大きいものと考えております。
日本を牽引する地域づくりのため、また、中部地域の経済の国際競争力と強靱性の向上のため、今後もより一層の技術水準の向上を目指し、地域社会へ貢献してまいる所存です。
この1年間、地盤工学会中部支部の更なる発展に微力ながら貢献できるよう取り組む所存でありますので、会員皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
平成28年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 杉井 俊夫
(中部大学工学部都市建設工学科 教授 大学教育研究センター長)
平成28年度の支部長を拝命しました中部大学の杉井です。
近年、次々と人命に関わる大規模な自然災害が発生しており、地震においては地震頻発時期に入ったともいわれております。4月に発生した熊本地震では、熊本、大分の両県において被害を受けられ長期の不安を強いられている多くの方々に対し、心からお見舞い申し上げます。
地盤工学会中部支部では、2014年度から南海トラフ巨大地震研究委員会(委員長 野田利弘 名古屋大学教授)が設立され、地盤工学の見地から防災・減災を目的とした地域の防災に対する啓発活動も実施しております。私は地域との連携を進める中で、これまで意識していなかった地域住民や自治体との壁(学会という組織の敷居の高さ)を痛感しました。技術開発・研究は、学会のアカデミックな重要な柱の一つでありますが、工学という立場からすると如何に分かりやすく伝え、その成果を社会に還元するかという意識が弱かったのではと改めて感じたところです。これまで土木分野ということもあり、社会資本にむけた意識は高かったように思われますが、これからは直接、住民の命、生活にも地盤工学の技術・研究成果を普及させることが、より重要になっているものと感じます。本年度で当研究委員会は最終年度になりますが、ここで終わるのではなく、支部として重要な「地域との関係」を継続して強く繋げていくきっかけとなるよう取り組んでいただければと考えております。
学会の役目は、より良い技術、すばらしい研究を学会として多くの方々から評価をいただきながら創り出していくこと、得られた成果を社会へフィードバックすることの貢献にあることは、いうまでもありません。しかし、そうした華やかな学会活動の裏には、学会運営に関する仕事をボランティアとして取り組まれている多くの会員の方々の上に成り立っていることを忘れてはならなりません。では、そうした方々の学会活動エネルギーとは何かということを、本部の部会を担当させていただいているときに遅まきながら気づかされました。それは、「人の和」です。昨今、無機質な書簡やメール交換でやりとりが済まされることが多いのですが、疲れることばかりです。やはり顔と顔つきあわせていく中で、はじめて学会活動エネルギーが高められるものと信じております。皆様方においては、メールが頻繁に飛び交い、忙殺される仕事に悩んでいるときでも、顔と顔をつきあわせて本音を語ることで「人の和」を感じ、助けられた経験はありませんでしょうか。これから若い方が、学会活動に楽しく元気よく参加いただけるような「人の和」を感じられる支部活動を目指したいと考えます。来年度は、60周年を迎える中部支部ですが、人間でいうと還暦、元の暦にもどる年です。これまでの60年の中で諸先輩方の偉大な足跡と学会を振り返り、新たな支部に生まれ出づるための準備を進めていきたいと考えています。
この1年間、会員皆様のご支援、ご協力を賜りながら、「人の和」を意識して取り組んでいく所存であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
平成27年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 山下 研二
(名古屋市上下水道局 技術本部長)
平成27年4月16日の中部支部通常総会において、支部長を拝命いたしました、名古屋市上下水道局次長兼技術本部長の山下です。
この地盤工学会中部支部は昭和32年に設立されております。前任の中野先生から支部長の役割を託され、歴史と伝統のあるこの貴重なバトンを次へ繋いでいけるよう、そして、中部支部の活動が今後ますます活発に行われるように取り組んでまいります。
さて、中部支部は静岡・愛知・岐阜・三重・長野の5県で構成されております。この地域の特色としましては、日本一の工業生産額を持つ工業地域である一方で、濃尾平野の広大な軟弱地盤を抱えています。近い将来に発生が危惧されています「南海トラフ巨大地震」に対しまして、太平洋沿岸部の防災や減災の視点に立った社会インフラの整備が緊急の課題になっています。
また、東日本大震災を始め、中部地方において昨年発生しました長野県南木曽村の土石流災害、御嶽山の噴火や長野県北部の神城断層地震など、大きな災害が相次いで発生しています。地盤災害・地盤防災の専門家集団として、地盤工学会及び会員の果たすべき役割は、これまで以上に大きなものになっていると感じています。
地盤工学会の目的といたしましては、「地盤工学の進歩及び地盤工学にかかわる技術者の資質向上を図り、学術・科学技術及び文化の振興と社会の発展に寄与すること」とされています。今一度、この初心に立ち返り、地盤工学会中部支部が中部地域の地盤工学のパイオニアとして社会に貢献していけますよう、会員の皆さんと協力して行動していきたいと考えています。
最後になりますが、支部長として中部支部活動の円滑な運営に努めてまいりますので、会員の皆様のご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
平成26年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 中野 正樹
(名古屋大学 大学院工学研究科 教授)
平成26年4月18日の支部通常総会において,支部長という大役を拝命しました.この上ない光栄とともに,歴代支部長名を拝見するなり,身の引き締まる思いです.
地盤工学会は,大学人としての私が,学生時代から大変お世話になった学会であり,学会に育てられたといっても過言ではありません.この1年間,その恩返しができるよう,一生懸命励みたいと思います.
さてどのような学会を目指すかということですが,その前に,私の恩師である松尾稔名古屋大学名誉教授が,第84代土木学会会長就任にあたり,工学系学会が有すべき役割と機能を3つ明確に定義されましたこと,それを紹介いたします.
(1)会員相互の交流・連携・協力(Society 機能)
(2)学術・技術の進歩への貢献(評価機能)
(3)社会に対する直接的な貢献(社会との双方向の意思疎通機能)
です.これらの役割,機能を肝に銘じ,さらに付加した活動を目指します.
さて,中部支部においてですが,まず中部支部の心臓部である,各部会の活動を,より活動しやすくなるよう支えてゆきます.そして前年度,坪田支部長のもと,いろいろな取り組みがなされました.具体的に申しますと,
①シニア会員継続WGによるシニア会員の学会への積極的参加
②中部支部圏の各学協会の様々な連携の拡大
これらの活動を前進させてゆきます.
①については,渋木雅良氏(応用地質(株)技術参与技師長)を委員長に,「シニアの活動・交流・学習の場」を提供して頂きます.さらにこの活動が,若手技術者・研究者へ技術を伝承する場にもなっていくよう,それぞれの年代の会員が積極的に参加して頂ければと思います.
②について,中部地質調査業協会とは引き続きより深い連携を取って行きます.また昨年度,新たに日本応用地質学会中部支部との連携を締結しました.学会員であればお互いの行事に会員として参加することができ,より幅の広い知識・技術を得ることができます.土木学会中部支部とは出前講義での連携を強化致しましたので,今年度もそれを引き継ぎ,より充実させることが重要であると考えます.さらに他学協会との有意義な連携を図ってゆきます.
その他の新たな活動として,今年度から3年時限の南海トラフ部会(巨大地震中部地域地盤災害研究委員会)が名古屋大学野田利弘先生を委員長に発足致しました.4つのWGと,委員長と各WG長とをメンバーとする企画・総括WGを設置し,オール支部会員で取り組み,この地方に貢献できればと思います.
さらに,国際化活動への展開です.来年11月に福岡で第15回アジア地域国際会議が開催されます.第2回(1963年)は東京で,第8回(1987年)は京都で行われ,今回が日本で3回目の開催になる伝統的な国際会議です.プログラムには,企業の方も参加しやすいようにEngineering Sessionも行われるので,支部会員の積極的参加をお願いしたいと思います.また,アジア会議後の2016年6月ごろに,中部支部で国際ミニシンポジウムの開催も予定しております.今回は少人数で若手研究者主体のシンポジウムとなると思いますが,シンポジウムを通じて,学術的・技術的交流を深め,支部に還元していけるよう希望致します.
学会とは,会員誰もが楽しく,何かためになるものでないといけません.この1年,支部会員はもちろん会員でない方々も,楽しく参加・運営できる,そういった学会を作っていきたいと思います.会員皆様のご協力・ご支援のほど,何卒よろしくお願い申し上げます.
平成25年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 坪田 邦治
(中部土質試験協同組合 理事長)
私達を取り巻く建設経済環境は,しばらくの政治や経済の停滞もあり,政府名目建設投資額は,平成24年度で18.0兆円と,阪神大震災が発生しました平成7年度の35.2兆円と比較しましても,その減少が顕著です.これらのことから,長らく,私達地盤工学会会員の周囲にも閉塞感が覆っていたように思います.
一方,2011年の3.11東北大震災後も,2011年の12号台風による三重県の災害などにみられるように,台風・豪雨などに起因する自然災害が相次いで発生し,その被害は,国民の生活を不安にする事態を引き起こしています.また,近い将来では,南海トラフ大地震の発生が懸念されており,我が国が,災害多発国であることを教示しています.
これらに対して,昨年末の国政選挙で政権交代となり,デフレ脱却のための積極的な公共投資が計画され,やっと長い低迷から脱却できそうな「明るい」雰囲気が出て参りました.特に高齢化する社会資本への対応など,「国土強靱化」の必要性が各方面から指摘されています.以上のことから,公益社団法人地盤工学会の果たすべき役割は高まってきていると考えます.
私達の多くの先輩方は,明治維新を経て,近代国家の建設に邁進した時代から今日に至るまで,社会資本整備に関する多くの技術と運営に関するノウハウを蓄積してきました.そこでみられるのは,近代国家としての日本を支えるために,自ら国家の一分野を担う気概を持って,各々の学問や専門的事象に取り組む明治期特有の人間像であると思います.この気概をもう一度,私達の心に取り戻し,社会に貢献したいと考えています.
最後に,支部長を拝命して,着手したいことがいくつかあります.企画委員会・運営委員会で十分議論し,評議員会・幹事会を通じ,支部会員を巻き込んで実行したいと思います.構想段階ですが,3項目について紹介します.これらを通じて,中部支部の活性化に貢献して参ります.どうぞよろしくお願い申し上げます.
1. 中部地区学協会の連携化
(中部地域の連携を強めて,お互いの学協会の企画にそれぞれの学協会員が参画する)
2. 支部財政の健全化維持
(会費収入の減少が継続していますが,収支バランスのとれた財政を維持する)
3. 熟練会員の定年後の会員継続化
(定年になっても会員を継続してもらえる施策の計画・実行)
平成24年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 張 峰
(名古屋工業大学 高度防災工学センター 教授 センター長)
地盤工学会が設立してから今年で55年となりました。土木工学は全ての工学分野の中でもっとも歴史のある工学であると言われていますが、その基礎となるものは地盤です。 社会インフラはすべて地盤の上、あるいは地盤の中に作られていることから、地盤工学が文明社会の基盤と言っても過言ではありません。同時に、地盤工学は自然災害と一番密接な関係にある工学でもあります。
近頃よく耳にするのは、インフラへの投資が年々減る中、地盤工学会の会員数も年々減少しており、このままでは学会の存続も危ぶまれる,といった言葉でした。 なるほど会員数は減少している傾向が見られますが、逆の見方を持ってもいいかもしれません。
確かに高度成長期から始まった巨大プロジェクトの推進で、地盤工学に関わる諸問題が数多く解決されてきました。地盤工学の理論だけでなく、調査・設計・施工の技術が飛躍的に進歩したことも事実です。 また、災害が発生するたびに、防災・減災の知識と技術が蓄積されてきました。しかし、これで地盤工学がこれ以上発展しなくてもよいところまできた、あるいは地盤工学の重要性が薄れてきた、という訳ではありません。
中部地域は日本の主要産業集積地でありながら、広域低平地である濃尾平野を有しており、加えて様々な軟弱地盤問題を抱えています。 また、東海・東南海・南海3連動巨大地震や、伊勢湾台風並の巨大風水害、あるいは3.11東日本大震災で発生した日本地震観測史上最大の地震によって引き起こされた巨大津波など、「広域」、「大規模」かつ「破滅的」な破壊力を持つ巨大自然災害に常に直面しています。
災害に強い、環境に優しい、より高度な文明社会が持つべき社会インフラの整備は、今後も地盤工学の最重要課題であることは変わりがありません。他の先進国に比べ、自然災害が多い日本においては、社会インフラ整備への投資の割合が高くなることは、きわめて自然であるように思います。 この意味では、地盤工学が果たすべき役割は非常に重要です。地域社会への貢献ができるような活動を積極的に展開していくことは、地盤工学会中部支部の目標であり、会員皆様のご支援、ご協力を賜りながら、取り組んでいく所存であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
平成23年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 猪熊 康夫
(中日本高速道路㈱名古屋支社長)
まずはじめに、先月11日の東日本大震災により、お亡くなりのなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。
今年で54年目となる歴史ある地盤工学会 平成23年度中部支部長を仰せつかりました、中日本高速道路㈱名古屋支社長の猪熊です。 前年度は、支部長の国土交通省中部地方整備局副局長であります岩立様をはじめ、事務局役員の皆様には多大なご尽力を頂き御苦労さまでした。
平成23年4月現在、個人会員779名、特別会員81機関で構成されています中部支部は、『中部国際空港』や『新東名・新名神』などビックプロジェクト推進に地盤工学的問題を解決してまいりましたが、 中部地方は濃尾平野南部を始めとする広大な軟弱地盤も抱えており、今後予想されている東海・東南海地震に対しても地盤工学的技術が必要とされております。
東日本大震災では、日本の地震観測史上最大のマグネチュード9.0、大津波により「広域」、「大規模」かつ「破滅的」な被害を受けました。 この大震災を受け、土木学会、地盤工学会、日本都市計画学会は共同緊急声明の中で「自然の脅威に畏れの念を持ち、 ハードのみなならずソフトも組合せた対応が重要であると確認すべき。」と提言しております。 交通の要所として、またモノづくりの拠点として位置づけられている中部地域としては、予見されている東海・東南海地震の被災最小化となるハート・ソフトを組合せた社会基盤整備が必要不可欠であり、 地盤工学会中部支部が果たす役割は非常に重要であると考えます。
このような重要な役割を担い、中部支部の更なる発展、ならびに地域社会への貢献ができるような活動を、微力ながら取り組んでいく所存でありますので、 会員皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、新任挨拶をさせていただきます。
平成21年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 板橋 一雄
(名城大学常勤理事)
地盤工学会は創立60周年を迎えましたが、中部支部にとっての2009年は、東海地方に未曾有の被害をもたらしました伊勢湾台風が来襲して50周年の節目の年でもあります。そのため、中部地方では学会員はもとより、一般市民の間でも防災の機運が高まる中、今年もすでに日本各地で集中豪雨による地盤災害が頻発しております。 また、毎年のように大きな地震災害も発生し、地盤防災に関して考えただけでも、地盤工学会が果たすべき役割と責任は益々大きくなっております。
その役割を一般市民の皆さんへお伝えすることも、公益法人を目指す地盤工学会として重要な活動でありますが、地盤工学会中部支部では、学会創立60周年記念事業の一環として、市民見学会『木曽三川治水史跡めぐり』を10月に開催し、この地で水害と闘ってきた先人の知恵と偉業を、小学生以上の一般の方々に広く知っていただこうと考えております。
一方、地盤工学会中部支部の前身である土質工学会中部支部のよる『最新名古屋地盤図』の初版発刊からすでに 20年以上が経過しておりますが、最新データをとりいれました『最新名古屋地盤図(追補版)』の編集作業が現在大詰めを迎えています。それと同時に整備を進めております『地盤情報データベース』の公開もあわせまして、最新かつ正確な地盤情報を提供することを通じて、着実な社会貢献をしてゆきたいと考えております。その他、中部地盤工学シンポジウム、調査・設計・施工技術報告会、地盤工学セミナー、各種研究会活動、若手技術者のネットワーク作りなど、産官学の会員が一丸となった活発な活動を中部支部では展開しております。
今後とも、会員の皆様のご協力・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
平成20年度 支部長挨拶
地盤工学会中部支部 支部長 渋木 雅良
社団法人 地盤工学会中部支部 支部長の渋木雅良です。
中部支部は平成19年に50周年を迎えましたが、その翌年の平成20年4月、全国でも初めて、地質調査業協会として、平成20年度中部支部長、副支部長、事務局を中部地質調査業協会がお引き受けいたしました。
それから早1年が経過しようとしています。平成20年度は、中部支部50周年を機に、支部会員の確保と活動の活性化、支部財政の確保と健全化をテーマに、産官学連携のもと活発な学会活動を目指し、展開して参りましたが、逆風真っ只中の社会背景もあり、支部会員の確保には苦戦を強いられているところです。
このたびの中部支部のホームページ改定作業は、活発な学会活動の一環として、“外部への支部PR効果の強化”を意図したものです。まず、トップページの一新を図りました。
今後、中身も徐々に更新し、充実したホームページに発展させていきたいと考えております。
今後とも、(社)地盤工学会の中長期ビジョンの3領域である「技術者の資質向上」、「学術技術の進歩への貢献」、「社会への貢献」を意識しつつ、産官学一体となって活発な支部活動を展開して参りたいと考えておりますので、会員皆様のご協力・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。