出前講座:技術者向け
中部支部では、学会活動の一環として、地盤工学を一般の方に広く知っていただくため、また地盤工学に関わる方の知識をより深めるために出前講義を実施しております。中部支部エリア在職の講師が,ご希望の場所に出向いて講義を行うようになっております。
現在、当支部では以下に示す各種の講義テーマをご用意しております。下記テーマリストにないものでも可能な限り対応致しますので、地盤工学に関するご希望の講義テーマがありましたら、事務局までご相談下さい。
技術者向け講座メニュー(現在準備中)
地盤力学・工学講習会にはないテーマやより専門的な内容についての講座を行います。地盤工学の知識を深めたい、講習会で聞いた内容をもっと詳細に深い部分まで聞いてみたい、最新の研究や実務の現状を知りたい、などの地盤工学に関する実務に携わる技術者のレベルアップなどにご活用ください。
出前講座「地盤工学のスペシャリストによる出前講座」(2017.9.25更新版)
番号 | 講師 | 所属 | タイトル |
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1 | 張 鋒 | 名古屋工業大学 | 軟岩の力学特性、実験方法、モデリングおよび岩盤工学の境界値問題への応用 |
2 | 神谷 浩二 | 岐阜大学 | 土構造物の浸透問題 |
3 | 神谷 浩二 | 岐阜大学 | 地下水資源の現状と課題 |
4 | 棚橋 秀行 | 大同大学 | 地盤汚染とその浄化技術 |
5 | 杉井 俊夫 | 中部大学 | 森林斜面の危険度評価について |
6 | 杉井 俊夫 | 中部大学 | 地盤材料の団粒化による保水性と透水性の制御 |
7 | 杉井 俊夫 | 中部大学 | 河川堤防の重点強化地点の抽出と対策 |
8 | 前田 健一 | 名古屋工業大学 | 液状化の予測および対策と改良地盤の耐震性評価 |
9 | 前田 健一 | 名古屋工業大学 | 砂礫質土の粒子特性から見る変形・強度特性の予測 |
10 | 前田 健一 | 名古屋工業大学 | 粒子法による破壊と災害のシミュレーションのやり方 |
11 | 野田 利弘 | 名古屋大学 | 計算地盤力学における地盤のモデル化 |
12 | 日比 義彦 | 名城大学 | 地盤中の油汚染に役立つ多相流解析 |
13 | 山田 正太郎 | 名古屋大学 | 土の骨格構造概念とそのモデル化 |
14 | 中野 正樹 | 名古屋大学 | 浚渫土砂の有効利活用への展望 |
15 | 中野 正樹 | 名古屋大学 | 締固めに注目した盛土の変形・安定問題 |
16 | 沢田 和秀 | 岐阜大学 | 地形を高精度に計測できるレーザー計測手法 |
17 | 小高 猛司 | 名城大学 | 河川堤防の安全性評価 |
各講義の詳細
番号 | 講師・所属 | 講演内容 |
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1 | 張 鋒(名古屋工業大学工学研究科・教授) | 「軟岩力学特性、実験方法、モデリングおよび岩盤工学の境界値問題への応用」堆積軟岩は比較的に均質であり、ほかの亀裂性岩盤に比べ、固体力学の範疇での理論展開が可能であるため、その研究が着実に進んでいる。軟岩の力学特性の実験的研究、ひずみ軟化、時間依存性、温度効果など各種力学特性を統一的な構成式の提案とその境界値問題への適用について議論する。 |
2 | 神谷 浩二(岐阜大学工学部・教授) | 「土構造物の浸透問題」河川堤防などの不飽和な土構造物の安全性を検討するうえで、降雨等の浸水に伴う間隙水や間隙空気の挙動を評価することは重要です。飽和土と不飽和土の浸透流の基礎を示すとともに、降雨の浸透特性など土中の流体挙動特性を説明します。 |
3 | 神谷 浩二(岐阜大学工学部・教授) | 「地下水資源の現状と課題」地下水は、地下に貯留された貴重な水資源です。日本の沿岸都市部を中心に大規模な地下水位低下・地盤沈下を経験しましたが、近年の地盤沈下の沈静化を背景に地下水の有効活用が進められています。濃尾平野の主に岐阜県を事例にして、調査データ等を示しつつ広域の地下水の諸特性を説明して、今後の地下水の保全と活用のあり方を考えてみたいと思います。 |
4 | 棚橋 秀行(大同大学工学部・教授) | 「地盤汚染とその浄化技術」近年、地盤汚染はかつての環境問題という研究課題的な位置づけから、不動産価値を左右するものとして実務的な問題になってきています。多岐にわたる地盤汚染の原因とその対策技術について紹介するとともに、大同大学・棚橋研究室が10年ほど取り組んできたテーマ「機械油で汚染された地盤を非掘削で浄化するにはいかにしたらよいか?」について説明いたします。 |
5 | 杉井 俊夫(中部大学工学部・教授) | 「森林斜面の危険度評価について」広域斜面の評価手法には、統計手法、力学的手法が挙げられる。講義では、両者のメリット、デメリットについて解説すると共に、地震や豪雨に対してもリアルタイムの危険度評価を目指した研究について紹介する。 |
6 | 杉井 俊夫(中部大学工学部・教授) | 「地盤材料の団粒化による保水性と透水性の制御」土を団粒構造に変えることで保水性や透水性が変化する。団粒化によるゲリラ豪雨時の排水、ヒートアイランド抑止、貯留に効果的な保水性の利用や、層境界での浸透性の違いを利用した地盤の透水性の制御について紹介する。 |
7 | 杉井 俊夫(中部大学工学部・教授) | 「河川堤防の重点強化地点の抽出と対策」延長の長い堤防の中から危険区間、さらに危険断層の抽出の絞り込みを行う評価手法と浸透性による破壊メカニズムについて説明するとともに、浸透理論より対策において留意しなければならない点について紹介する。 |
8 | 前田 健一(名古屋工業大学工学研究科・教授) | 「液状化の予測および対策と改良地盤の耐震性評価」地震力のような繰返し応力を受ける地盤材料の力学特性及び地盤の振動、液状化のメカニズムについて解説する。液状化の予測・判定方法、液状化対策およびその評価法の現状や問題点などを調査事例などをまじえながら解説するとともに議論する。 |
9 | 前田 健一(名古屋工業大学工学研究科・教授) | 「砂礫質土の粒子特性から見る変形・強度特性の予測」砂礫質土の粒度、粒子形状、破砕性などの物理的特性が砂の変形・強度やその圧力レベル依存性・密度依存性およびその把握方法について実験データを中心に解説する。意外な見落としや間違いをしないためにも、粒子の顔は重要である。 |
10 | 前田 健一(名古屋工業大学工学研究科・教授) | 「粒子法による破壊と災害のシミュレーションのやり方」最近、ひび割れしたり、壊れたり、その後の流動も計算したいという要望が増えています。それに答えるべく開発された応用が拡がる個別要素法やSPH法などの粒子法計算の基礎からパラメータの決定などから適用例について説明します。落石、斜面崩壊、深層崩壊、浸透破壊、堤防の決壊、侵食、陥没などが対象です。 |
11 | 野田 利弘(名古屋大学減災連携研究センター・教授) | 「計算地盤力学における地盤のモデル化」地盤力学で行う計算では扱う立場によって、地盤を弾性体、剛塑性体あるいは弾塑性体で扱ったりする。また、飽和地盤は水~土骨格二相系でありながら、一相系として扱ったりする。さらには、解析は微小変形・有形変形だったりする。計算地盤力学におけるこれらの 土/地盤のモデル化の問題点・注意点について述べる。 |
12 | 日比 義彦(名城大学理工学部・准教授) | 「地盤中の油汚染に役立つ多相流解析」地盤中に浸透した油の挙動を把握することは、油汚染の土壌浄化の設計、施工に役立つと思われます。多相流解析に関する基礎的理論を説明し、後半では、解析例を示したいと思います。 |
13 | 山田 正太郎(名古屋大学工学研究科・准教授) | 「土の骨格構造概念とそのモデル化」自然堆積粘土や砂の力学挙動と練り返し正規圧密粘土の力学挙動を比較することで、土の骨格構造とは土のどのような力学的性質を概念化したものであるのか説明すると共に、土の骨格構造概念を弾塑性構成式に組み込む方法について説明します。 |
14 | 中野 正樹(名古屋大学工学研究科・教授) | 「浚渫土砂の有効利活用への展望」河川、港湾の機能維持のため、毎年の浚渫は欠かせません。様々な改良方法による浚渫土の地盤材料への利活用について、特に改良土の室内力学試験結果の弾塑性構成モデルによる再現を中心に説明します。また浚渫土砂の有効利活用についての様々な課題やアイデアを参加者とともに議論したいと思います。 |
15 | 中野 正樹(名古屋大学工学研究科・教授) | 「締固めに注目した盛土の変形・安定問題」近年、豪雨や地震により、道路盛土が大規模な崩壊が起きています。数値解析により、盛土崩壊を再現し、そのメカニズムを解明するとともに、地震、豪雨に耐えうる盛土構築について「締固め」に注目しつつ説明します。また被災した盛土の復旧工法や被災しないための盛土補強についても説明できればと思います。 |
16 | 沢田 和秀(岐阜大学工学部付属インフラマネジメント技術研究センター・教授) | 「地形を高精度に計測できるレーザー計測手法」土砂崩壊や落石などの斜面災害に対し、効率的に対策を講じるにはできるだけ正確に地形を把握することが望ましい。近年、急速に高精度化してきたレーザースキャナを用いた計測技術について、計測の基礎から応用まで実用事例を紹介します。 |
17 | 小高 猛司(名城大学理工学部・教授) | 「河川堤防の安全性評価」堤体や基礎地盤の土質構成などの地盤工学的見地からみた河川堤防の安全性について説明し、安全性を評価するための地盤調査や土質試験,ならびに照査法などについて現状と課題,さらには最近の研究事例についても解説します。 |
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申込方法
以下の項目を明記の上、電子メール、FAXまたは郵便でお申込みください。
- お名前
- ご所属
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- ご希望の講義のテーマ名・希望講師名 (上記の出張講義テーマ一覧からお選びください。選択された理由を一言お書き添え頂ければ、それに沿った内容を準備致します。)
- ご希望日時
- ご希望の講義時間
- その他(ご質問、ご要望)
利用料
中部支部特別会員 | 15,000円 |
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上記以外 | 30,000円 |
- 講義の基本時間は2時間です。延長を希望される場合には,追加料金が発生する場合があります。
- 上記の他、指定場所までの講師の交通費をご負担下さい。
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- 営利目的には利用しないでください。
お申込み・お問い合わせ先
地盤工学会中部支部
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